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文京シビックセンターで「見どころ絵はがき」展 地域の魅力味わうきっかけに

再開発に伴い消える街描いた「小さなスケッチ画の会」は団体賞

再開発に伴い消える街描いた「小さなスケッチ画の会」は団体賞

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 文京シビックセンター(文京区春日1)1階のギャラリーシビックで現在、「文京・見どころ絵はがき大賞」作品展が開かれている。

大賞に輝いた「こんにゃくえんま」と柳澤結太君

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 同区の魅力を発掘・発信するために、区内の見どころを絵はがきで募集し展示している同展。文京建築会と文京建築会ユースが主催し、今年で6回目となる。今年は全445作品の応募があり、会場では区の地図に見立てた台の上に、応募者それぞれが描いた「見どころ」が展示されている。

 今年、大賞に選ばれたのは、小日向台町小学校4年生・柳澤結太君の描いた「こんにゃくえんま」。「こんにゃく閻魔(えんま)」は、小石川の源覚寺にある閻魔大王像のことで、江戸期の宝暦年間(1751~1764年)、眼病を患った老婆に自分の片目を差し出し、老婆の目を治したという言い伝えが残る。老婆が感謝の気持ちとして、自身の好物であった「こんにゃく」を断ち、それを供え続けたことから「こんにゃく閻魔」と呼ばれるようになったという。

 7月9日に行われた表彰式で柳澤君は「迫力のあるものを描きたかった。こわもてながら心の優しい閻魔様が大好きで、作品のモチーフに選んだ」と話した。

 柳澤君の通う小日向台町小学校は団体賞も受賞。同校では、図工の時間を利用して4年生全員が絵はがきを制作した。「同イベントが生徒たちにとって、地域の魅力を知り、制作に熱中するきっかけとなっている」と担当教諭は話す。

 文京建築会ユースの織田ゆりかさんは「回を重ねても、作品が届くたびに新しい発見がある。新しいモチーフ、新しい視点などに、それぞれの伝えたい思いが結集している。絵はがきというアナログな手法を選んでいるのも『文の京(ふみのみやこ)』ならでは。切り絵や水彩など、デジタルではできない表現を通して、一見ありふれた街並みの隠れた価値を伝え、残していきたい」とほほ笑む。

 開催時間は10時~18時。入場無料。今月12日まで。会場では「路上観察家・林丈二と歩く文京 まちの行間を読む」も同時開催している。

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