「地域の暮らしを旅する」をコンセプトに体験イベントや街歩きなどを手掛ける「TABICA(ガイアックス)」が9月22日、「階段研究家と一緒に『本郷界隈(かいわい)』のまちと階段を散策」を開催した。
単行本「東京の階段」の著者で、1990年代から東京の階段を訪ね歩いている「階段研究家」の松本泰生さんがホストを務めた同企画。本郷に2年ほど住んでいたというTABICA企画担当者の掛さんが、階段好きの松本さんと「本郷の階段の良さについて共感が生まれた」ことをきっかけに企画した。
当日はあいにくの雨模様となったが、20代から60代の男女18人が参加。外記(げき)坂や炭団(たどん)坂、曙坂といった階段が併設された坂を歩きながら地形を体感したり、樋口一葉の菊坂旧居跡や西片の住宅地、旧白山三業地などの歴史ある町並みを訪ねたりと、約3時間を掛けて町歩きを楽しんだ。
同行したスタッフの渡辺さんは「階段を見つけるたびに歓声が聞こえ、写真に収めるなど、楽しんでいただけたようで何より」と話す。
参加者からは「普段の知っている町並みでも、一歩裏に入るとまったく違う世界が広がっていて面白かった」「町の歴史や地形の解説もあってよかった」「今度はもっとディープな階段を巡りたい」などの声が聞かれた。
松本さんは「当企画を通じて、都市計画や都市構造、都市景観に少しずつ関心を持ってもらえるとありがたい。若い人にも都市の歴史と将来に関心を持ってもらえるとうれしい」と笑顔を見せる。