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千駄木・森鴎外記念館で特別展「私がわたしであること」 森家の女性たちを紹介

展示のメーンビジュアル

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 千駄木の森鴎外記念館(文京区千駄木1)で現在、特別展「私がわたしであること─森家の女性たち 喜美子、志げ、茉莉、杏奴」が開催されている。

特別展の会場風景

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 文豪・森鴎外の妹である小金井喜美子、妻の森志げ、娘の森茉莉と小堀杏奴といった森家の女性たちにスポットを当てた同展。これまで鴎外の家族として注目を集めてきた彼女たちの文筆家・女性としての側面を、自筆原稿や書簡、彼女らが愛したものなどを通して探る。

 同展を監修した早稲田大学教授の金井景子さんは「彼女らが鴎外の親類としてではなく、一人の書き手、女性としてどう生きてきたのか。21世紀のこの時代に、彼女らの作品が届くようにと思いながら監修した」と話す。

 同展は大きく2のセクションで構成する。第1展示室では、主に彼女らがどのような文業を行ってきたのかを紹介。翻訳作品を多く手掛けた小金井喜美子、人生の中で3年しか文筆活動をしなかったという森志げ、「父の帽子」で日本エッセイストクラブ賞を受賞した森茉莉、パリへの留学をきっかけに文筆活動を始めた小堀杏奴。それぞれが翻訳家や小説家、随筆家として才能を開花させていく様子を自筆原稿や単行本、書簡などとともに振り返る。

 第2展示室では、彼女たちがその人生の中で愛したものたちを展示。喜美子が鴎外とやり取りをした書簡や、志げが愛用し娘の茉莉や杏奴が「母の香り」と形容したという清心丹。茉莉が集めた雑誌切り抜きや杏奴が描いたという油絵など。彼女たちの生活を取り巻いていたものから、4人のそれぞれの「わたし」を探る。

 同館担当者は「今年は小金井喜美子の没後80年、森志げの没後60年に当たることも当展企画のきっかけになった。これまで『鴎外という物語』に登場する女性の一人でしかなかった彼女たちが今回は主役。今回の展示では、女性のあり方が変わりゆく時代に生きた彼女らのそれぞれの『わたし』を形作ったものを感じてもらえれば」と話す。 

 開館時間は10時~18時(6月の金曜は20時まで、最終入館は閉館30分前まで)。期間中の休館日は5月24日。観覧料は一般500円(中学生以下無料)。6月26日まで。4月20日、5月11日・25日、6月8日・22日の14時からは学芸員によるギャラリートークを開く。

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