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文京・水道に「道のギャラリー」 伝統木版画を日常に

「道のギャラリー」の前で 高橋由貴子さん

「道のギャラリー」の前で 高橋由貴子さん

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 安政年間(1854~1860)創業の伝統木版画工房「高橋工房」(文京区水道2)が3月2日、文京・水道2丁目の通り沿いに、ショースペース「道のギャラリー」をオープンした。

高橋工房

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 巻石通りに平行する通りに面した2間ほどのガラス戸越しに、数点の作品を鑑賞できる。現在は、歌川広重の「名所江戸百景」や、葛飾北斎の「富嶽(ふがく)三十六景」などの復刻版浮世絵木版画作品を展示している。

 高橋工房は、江戸木版画の技術を用いて著名な芸術家の作品などを版画に再現し、伝統文化の普及・発展に貢献している。6代目代表の高橋由貴子さんは、摺(すり)師としての技術を継承し、世界各国で講演や実演を続ける傍ら、作品を総合的にプロデュースする版元としても活躍。最近では「ウルトラマン」をモチーフにした江戸木版画作品なども発表している。若手の育成にも尽力し、古い店舗を改装した同スペースの展示には若手が関わった。同スペースの脇道を回り込んだ裏手に工房とギャラリーがある。

 高橋さんは「さまざまな方と仕事をさせていただく機会があるが、路地裏の工房を案内しても迷われる方が多いので、目印になるようなショーウインドーが欲しいと思っていた」と話す。「通り掛かりの方が作品にふと目を留めてくださり、木版画が地域の方の日常に溶け込めるきっかけになれたらうれしい」とも。

 高橋さんは「江戸川橋から印刷博物館までをつなぐこの通りには、新しいギャラリーも少しずつ増えている。点をつなぐようにアートを楽しめる街になっていけたら」と期待をこめる。

 原則、高橋工房の営業時間中にシャッターを開ける。平日=10時~17時、土曜・日曜=不定期。展示替えは半月から1カ月のペースで行う予定。現在の展示は今月14日まで。

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