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千駄木で「ドクトル・リンタロウ」展 医学者としての森鴎外にスポット

石黒忠悳を迎えた医学留学生達

石黒忠悳を迎えた医学留学生達

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 千駄木の森鴎外記念館(文京区千駄木1)で現在、特別展「ドクトル・リンタロウ─医学者としての鴎外」が開催されている。

森林太郎自筆原稿『脚気病気ノ検索』

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 明治の文豪として知られる森鴎外の医学者としての側面にスポットを当てた同展。日本近代医学の黎明(れいめい)期に医学者・森林太郎が学び、取り組んだことを自筆のノートや原稿、書簡などからたどる。

 同展は3つの章で構成。第1章の「林太郎の学び」では、少年時代から医学生、ドイツ留学時代の林太郎に焦点を当てて、医学者・森林太郎を形成した学びの一端を医学生・留学時代のノートなどからひもとく。

 第2章では「林太郎の取り組み」として、ドイツ留学から帰国後の林太郎がまい進した衛生医学の啓発活動を紹介。脚気(かっけ)論争としても知られる「日本食の研究」、衛生医学の観点から提唱した「市区改正」など、身の回りの問題から時事問題まで林太郎が一貫して取り組んだ衛生医学が垣間見える。

 第3章は、「鴎外における医学と文学」と題し、医学者・森林太郎を知った上であらためて文豪・森鴎外の「仮面」「ヰタ・セクスアリス」などの作品を再読する。

 同展担当者は「はじめは医学者が林太郎で、文学者が鴎外と思っていたが、展示を構成していく中で、時と場合によって両者が入り交じっているのが鴎外だと感じた。医学者としての鴎外の研究は文学に比べて少ない。これをきっかけに医学的な側面からも鴎外の研究が始まれば」と話す。

 10月14日・28日、11月11日・25日の14時からは学芸員によるギャラリートークを開く。10月31日には、横浜国立大学教授の一柳廣孝さんによる「『魔睡』の時代─催眠術から霊術へ」、11月14日には、順天堂大学特任教授で本展の監修を務めた酒井シヅさんによる「鴎外とその時代の医療」と題した講演会を行う。講演は参加無料。定員は50人(事前申込制)。申し込み締め切りは一柳さんの講演=10月16日、酒井さんの講演=10月30日。

 開館時間は10時~18時(11月6日~8日は20時まで、最終入館は閉館30分前まで)。第4火曜休館。観覧料は一般500円(中学生以下無料)。12月6日まで。「森鴎外記念館で現代アート! Vol.3 『刹那』よ『止まれ、お前はいかにも美しいから』」も同時開催される。

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