江戸時代から現代までの東京の水道の歴史を紹介する東京都水道局のPR施設「東京都水道歴史館」(文京区本郷2)で10月24日、秋の特別企画展「上水記展」が始まる。
「上水記」は1791年に完成した江戸時代の上水(水道)の記録。3部作られたうち、全10巻がそろって残るのは同館の所蔵品だけで、都の有形文化財にもなっている。実物の公開は年1回に限っている。
テーマは「上水記と歴代将軍」。「上水記」では第1巻で江戸の上水を「御仁政のたまもの」と記し、人々も将軍からの恩恵と受け止めていた。最初の上水は家康・秀忠・家光の初期3代の頃に造られた。また、「上水記」は11代将軍家斉に献上され、著者の石野広通は幕臣として将軍4代に仕えている。
第2巻の「玉川上水水元絵図并諸枠図」は、多摩川の「羽村取水堰」の江戸時代の姿を、縦135.5センチ、横514センチの紙に色鮮やかに描き込んでいる。今は大部分がコンクリートのせきも、当時は木組みの「枠(わく)」や、石を詰めた竹かご「蛇籠(じゃかご)」で築いていた。同館学芸員の金子智さんは「まずはその大きさを体感してほしい」と話す。
同時開催の「水道歴史展」では、通水開始100年を迎えた金町浄水場(葛飾区)の創設期を、所蔵の記録写真や刊行物でたどる。1935(昭和10)年に西側から3枚続きで撮影した全景写真はパネルに大きく載せ、そこにはろか池や事務所、周辺の農地も写る。同館司書担当の吉田悠子さんは「場内のスケールも感じていただけると思う」と話す。
開館時間は9時30分~17時(最終入館16時30分)。観覧無料。学芸員による展示解説は10月24日・28日、11月1日の11時と14時から(40分程度)で、予約不要。11月3日まで。