奈良県出身の首都圏大学生が暮らす学生寮「奈良県養徳学舎」(文京区小日向4)で6月13日、「養徳学舎寮祭」が開かれた。コロナ禍前まで毎年行われていた寮祭が、8年以上ぶりに復活した。
復活のきっかけは、山形県人寮や鹿児島県人寮など近隣の県人寮の寮祭を見た現3年生が「自分たちでもやろう」と動き出したこと。同学舎幹事長の中島望来さん(東京大学工学部3年)と同寮祭委員長・副幹事長の能美樹さん(明治大学文学部3年)を中心に約1年かけて準備を進め、当初3人だった運営チームは本年度から新入生全員が加わる形に拡大した。記録もノウハウも何もない状態から、寮の運営母体である奈良県奨学会への直接プレゼンで資金を調達し、地域の企業にも協賛を求めた。
当日は地域の子どもを主な対象とした縁日形式で開催。三輪素麺(みわそうめん)や奈良漬、かき氷などを提供する「Cafe Yo-toku」、地酒や葛餅など奈良ならではの物産コーナー、奈良県の地図にダーツを刺して点数を競う「奈良県ダーツ」、せんとくんとの写真撮影コーナー、寮内を巡る奈良県クイズラリーなどをそろえた。午前中は寮生によるクラシック演奏とバンド演奏があり、12時からは奈良県出身の弁護士兼芸人「流れるそば」さんが特別ゲストとして講演した。15時半ごろには養徳学舎OBで俳優の八嶋智人さんが来場し、寮生時代の思い出を寮生からの質問を交えながら約1時間のトークショーで語った。
寮生が地域の小中高生に個別指導を行う伝統の「寺子屋養徳」も、開催を機に再スタート。コロナ禍でほぼ途絶えていたが、無料体験コーナーを設けて復活をアピールした。在学中に「寺子屋養徳」を復活させた経験を持つOBで、今回は勤め先から協賛参加した辻合遼太郎さんは「来てみたら企画が全部実現されていた。大学4年の時にやりたかった」と目を細めた。
開会直後から来場者が続き、121人が来場した。中島さんは「寮生と地域の方々が会話しているのを見て、ここまでやってきて良かったと感じた」と話した。能美さんは「チラシ配布で失敗もあったが、開始直後からお客さまが来てくれた。いろいろなご縁を感じた」と振り返り、来年はより広い規模での開催を目指すという。