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本駒込・東洋文庫ミュージアムで「大地図展」 フェルメール絵画に登場の「地図」公開も

「大地図展」の展示風景

「大地図展」の展示風景

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 東洋文庫ミュージアム(文京区本駒込2、TEL 03-3942-0280)で現在、企画展「大地図展-フェルメールも描いたブラウの世界地図-」が開催されている。

ヨアン=ブラウ「大地図帳9巻(アジア全図)」(オランダ語、アムステルダム、1664-1665年刊)

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 同展の見どころは、17世紀にオランダ東インド会社公認の地図製作者として名をはせたブラウ一家のヨアン=ブラウ(Joan Blaeu)による「大地図帳 全9巻」。日本で全9巻が一挙公開となるのは今回が初めて。

 同作品が作られた17世紀は、オランダが東インド会社を軸としてアジア・アフリカ地域で貿易活動を展開し、経済・文化の両面でヨーロッパ随一の繁栄を迎えた時代である。ヨーロッパ人からみた地理上の「発見」が相次ぎ、それに呼応して世界地図は更新と出版が繰り返されたという。

 ブラウ一家が刊行した地図は、豊かな色彩と豪華な装飾が施されており、冒険家や貿易商人の実用一辺倒ではなく、経済力と教養を身につけた一般市民層の鑑賞用として販路を広げ、フェルメールなどの芸術家にも影響を与えた。

 フェルメールの「兵士と笑う女」をはじめとする絵画数点の背景には、ブラウが出版したとみられる地図が描き込まれており、影響力の強さを物語っている。同展では、ブラウの地図が描かれているとされるフェルメール作品の複製画も展示しており、実物の地図と見比べることができる。

 同展の企画をした普及展示部の牧野さんは「日本ではほとんど知られていないブラウだが、当時のオランダでは、フェルメールに比べて圧倒的な知名度と人気があった。今展示をきっかけにブラウが残した功績を少しでも知ってもらえれば」と話す。

 開館時間は10時~19時。火曜休館(火曜日が祝日の場合は次の平日)。入場料は、一般=900円、シニア=800円、大学生=700円、中・高校生=600円、小学生=290円。8月9日まで。

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