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千駄木で鴎外研究の第一人者「木下杢太郎」展 鴎外自筆日記など展示

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 千駄木の森鴎外記念館(文京区千駄木1)で現在、コレクション展「鴎外を継ぐ─木下杢太郎」が開催されている。

鴎外筆原稿『半日』(明治42年)

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 木下杢太郎は、医学博士として大学で教鞭(きょうべん)をとる傍ら、文学、評論、美術など幅広い分野で活躍した文京区ゆかりの文化人。その人生において鴎外をメエトル(巨匠)として慕い、文学活動だけでなく、学業や進路相談に鴎外をしばしば訪ねたという。鴎外の没後は「鴎外全集」の編集を務めるなど、鴎外研究の先駆けとしても知られ、「鴎外は過去ではなくて未来への出発点である」との言葉を残している。

 同展は会期を2期に分け、8月24日までの前半をパート1「杢太郎がたどりついた鴎外」として、鴎外と杢太郎の出会いと交流を中心に紹介。杢太郎が初めて鴎外を訪ねた時の様子を記載した鴎外自筆の日記、鴎外と夏目漱石が序文を寄せた杢太郎著「唐草草紙」、杢太郎が装丁を手掛けた鴎外訳「フアウスト」や「ノラ」、杢太郎筆鴎外宛ての書簡などを展示する。

 8月26日~9月27日に行うパート2「杢太郎という生き方」では、杢太郎の生涯に焦点を当てる。石井柏亭らと設立した文学者と美術家のサロン「パンの会」、鴎外も深く関わった文芸雑誌「スバル」の発行など、医学者でありながら文学や美術・芸術に携わった、どこか鴎外に重なる杢太郎の姿を著作や装丁本、書簡などを通じてその生涯たどる。

 同館司書の岩佐春奈さんは「木下杢太郎は今年で生誕130年、没後70年。展示を通じて、鴎外と杢太郎の交流、杢太郎の生涯を感じ取っていただければ」と話した。

 8月12日・26日、9月9日の14時からは学芸員によるギャラリートークを開く。8月22日には、東京大学大学院教授の今橋映子さんによる「鴎外を継ぐ者─木下杢太郎のパリ」と題した講演会を行う。講演は事前申込制。参加無料。定員は50人。申し込み締め切りは8月7日まで。

 開館時間は10時~18時、金曜は20時まで(最終入館は閉館30分前まで)。観覧料は一般300円(中学生以下無料)。9月27日まで。期間中の休館日は7月28日、8月25日。

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