千駄木の文京区立森鴎外記念館(文京区千駄木1)で7月5日、コレクション展「鴎外、雑誌をつくる。」が始まる。
森鴎外は、1888(明治21)年にドイツ留学から帰国した後、医学雑誌の編集に携わり始め、やがて文芸誌も主宰した。主筆・主宰した雑誌は鴎外にとって言論を発信する拠点であり、雑誌での評論・翻訳・創作は後の多方面での活躍の原点となった。同館で全9種を一堂に展示するのは初めて。
同展では、鴎外が手がけた医学雑誌5種と文芸誌4種、計9種を実物資料で紹介する。医学雑誌は「東京医事新誌」「衛生新誌」「医事新論」「衛生療病志」「公衆医事」。文芸誌は1889(明治22)年創刊の「しがらみ草紙」を筆頭に、「めさまし草」「芸文」「万年草」の4種。「しがらみ草紙」は坪内逍遥との「没理想論争」の舞台となったことで知られる。
書状・草稿も展示する。正岡子規筆の鴎外宛はがき(1896(明治29)年2月1日)は「めさまし草」創刊号の感想を伝えるもの。同誌には子規とその一門の俳句が度々掲載された。
同館学芸員の三田良美さんは「鴎外は志を同じくする仲間の協力を得ながら雑誌を作っていた。公務の合間に仲間と共に雑誌作りに取り組む、20~30代のエネルギッシュな鴎外を知ってもらえたら」と話す。
9月12日に講演会「明治期日本の医学雑誌:黎明から展開」を開く。ギャラリートークは8月12日・9月9日に行う。開館時間は10時~18時(最終入館17時30分)。観覧料は一般300円(中学生以下無料)。9月30日まで。