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文京に2年限定の新施設「DESIGN小石川」 解体控えたビルスペースを活用

7月21日に行われたレセプションの様子

7月21日に行われたレセプションの様子

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 文京区小石川の佐佐木ビル2階に、「デザインと街を結ぶゲート」となる新施設「DESIGN小石川」(文京区小石川2、TEL 03-5689-5597)が2年間限定でオープンした。

スケルトンを生かした開放感のあるスペース

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 小石川で設計事務所を営む芦沢啓治さんが運営するギャラリーとショップを兼ねた同スペース。街の可能性を広げることを目的にオープンし、スペース内にはデザイナー小林幹也さんがプロデュースする家具や生活にまつわるアイテムの専門店「TAIYOU no SHITA KOISHIKAWA」が新宿のリビングデザインセンターOZONE(新宿区西新宿)から移転。着生ランの専門店「B.U.D」、オリーブオイル専門店「PLAIN COMPANY」も併設する。床面積は580平方メートル。

 ギャラリースペースでは現在、「Keiji Ashizawa / MATERIAL AND STRUCTURE」と題し、芦沢さんが2002年から手掛けてきた家具製品やプロトタイプ、デザインディレクターとして携わる石巻工房の家具の展示を開催している(8月6日まで)。毎週土曜には、地元商店や企業とともに展示販売やワークショップを行う「小石川WEEKEND MARKET」も開く予定(第1回は7月23日11時~15時)。

 同ビルは2年後に解体を控え、今年3月にも4階の病院跡にリアル脱出ゲームの常設店「後楽園ヒミツキチオブスクラップ」がオープンするなど、地域内でも話題を呼んでいる。

 イベントスペースを探していた時、「知人が小石川に広いスペースがあるという話をしていたのを思い出した」のが同スペースとの出合いだったという。「いざ紹介してもらって内見してみると、とてつもなく広いし、ビルのなかに小石川大神宮もあるなど、東京ではなかなか出合えない物件」と芦沢さん。「イベント時だけ借りるとしても、それまで物件が空いている保証はない。そう考えたら、もうとにかく作戦もなく、借りること決めた」と振り返る。

 同所に「TAIYOU no SHITA KOISHIKAWA」を開いた小林さんは、数年前まで芦沢さんと小石川で事務所をシェアしており、「いつかは文京区に戻ってきたいと思っていた」と話す。芦沢さんのフェイスブックの投稿をきっかけに同スペースの存在を知り、芦沢さんと連絡を取った。芦沢さんも「自分たちだけでやるよりは、誰かとやったほうがいいかなと考えていた」ことから、同店の移転が決まったという。

 同店ストアマネジャー山本景介さんは「移転が決定したのが6月上旬で、時間もなく大変な面もあったが、これまでに商品を一覧できるような広いスペースがなかったので、よいきっかけになると思う。地元の人とも、これからもっとつながっていければ」と話す。

 芦沢さんは「僕らの仕事の根本は日常を良くしていきたいというところにある。店でも住宅でも、空間をつくるときの思いはそこにある。DESIGN小石川は、まちの景色や雰囲気を変えていける可能性を持った場所だと思っている。ここがあることをきっかけに、誰かが新しい店を出したり、住み始めたり、これまであった教育や利便性とは違った新しい価値観の人が街に集まってきて、新しいアクションを起こしてくれたら」とほほ笑む。

 「こんな実験的なスペースが街の中に放り込まれたときに、どんな反応を生み出すのか。まだまだ分からないが、住民の1人としてそれを楽しみたい」とも。

 営業時間は11時~19時。水曜定休。

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