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東京大学でプログラミングの祭典「スクラッチ・デー」 小学生による発表も

大勢の参加者の前で作品を披露する湯島小学校の児童

大勢の参加者の前で作品を披露する湯島小学校の児童

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 東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール(文京区本郷7)で5月20日、プログラミングの祭典「Scratch Day 2016 in Tokyo」が開催された。22団体による発表やワークショップなどが行われ、親子連れなど約770人の参加者でにぎわった。

「ビスケット・ワークショップ」の様子

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 「スクラッチ」とは、MIT(米国マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発したビジュアルプログラミング言語と呼ばれるものの一つ。同言語は主に8歳から16歳向けにデザインされており、視覚的にプログラミングを学べるため、各国の教育現場などでも活用されている。

 同イベントは年に一度の祭典として世界各地で同時開催されるもので、日本では2009年より規模を拡大しつつ毎年開催し、今回で8回目となる。

 日本でのイベント立ち上げから携わっているという「OtOMO」のブースでは、決められた期間内でプログラム開発などの共同作業を行い、その技術やアイデアを競う「ハッカソン」が開かれ、パソコン持参で集まった小中学生がプログラミングの腕を競い合った。

 その他、スクラッチよりもさらに低年齢層から扱えるビジュアルプログラミング言語「ビスケット」のワークショップも開催。デジタルポケットの講師に加えて、茨城県立龍ヶ崎第2高等学校の生徒たちがボランティアで参加し小学生に指導を行った。

 日本におけるスクラッチの第一人者で同イベント実行委員長の阿部和広さんとNHK教育番組ディレクターの林一輝さんの対談、「どうなる2020年プログラミング学習義務化 公立小学校はどう取り組むのか」と題した鼎談(ていだん)なども開催され、来場者が耳を傾けた。

 イベント当日は、地元・文京区立湯島小学校の児童による発表も行われた。同校と中京大学、慶応大学、ドイツの協力校が共同研究した「ワールドミュージアムで世界の子どもたちとつながろう」は、それぞれの国の子どもたちが自国の言葉で平和の歌を歌い、スクラッチ上で合唱するという作品。

 同校の原香織校長は「5年生の授業に本年度からスクラッチを取り入れた。現在は、縁のあったドイツの学校に日本の昔話を伝えるため、スクラッチを使って動画を制作中。総合的な学習、図画工作、国語と教科の枠を超えて取り組んでいる。11月の学習発表会が次の目標」と話す。

 同校で図画工作を担当する圓田牧子教諭も「扱いが容易で、世界共通の言語として認知度が高いことからスクラッチを採用した。子どもたちは吸収力がすごく、すぐに操作を覚えるので、指導に困ることはない。創造力が育まれていくことが楽しみ」と期待を込める。

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