文京区本駒込の「東洋文庫ミュージアム」(文京区本駒込2)で10月7日、企画展「世界図ってなんだ!?-地図が語る世界-」が始まる。修復を終えた世界図「坤輿(こんよ)万国全図」を、同館で初めて公開する。
坤輿万国全図は、マテオ・リッチが17世紀初頭、西洋の知識に中国の世界観を重ねて作った世界図。同館の所蔵品は17~18世紀ごろの清代に筆写された写本で、縦167センチ、横64.3センチの6幅で1対。並べると横幅は385.8センチになる。
本紙の絹から表装にかけて染みや折れがあり、表装には亀裂も入っていて展示できる状態ではなかった。2024年5月から2025年3月にかけて修復し、傷みの原因を取り除いて仕立て直した。過去の修復でずれていた絹の一部も正しい位置に戻したという。
地図には、西洋と中国の知識が重なる場所もある。黒海の辺りに記された「女人国」もその一つで、中国古代の地誌に似た国の記述がある一方、ギリシャ神話でも黒海沿岸にアマゾネスが住むとされる。
同展ではこの地図を起点に、西洋、中国、日本で世界地図がどう移り変わったかをたどる。坤輿万国全図は早くに日本へ伝わり、情報を更新した世界地図が次々と作られた。中国ではイエズス会の解散を境に測量による地図が作られなくなり、19世紀末には隣国との国境交渉で測量図がなく困ることになったという。西洋では植民地支配のために、正確な地図が作られていった。
東洋文庫普及展示部学芸員の篠木由喜さんは「世界地図には作者が知っていることが描かれている」と説明する。「今の地図と比べておかしいと見るのではなく、どうして北海道のところが変なのだろう、こういう描き方になったのだろうという見方をしてもらえたら」と話す。
開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、一般=1,000円、65歳以上=900円、大学生=800円、高校生=700円。中学生以下無料。火曜休館(祝日の場合は翌平日)、12月28日~2027年1月2日は休館。会期中、講演会も予定する。2027年1月17日まで。