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本郷の東大博物館で新常設展「UMUTオープンラボ」 収蔵室・研究室もガラス張りで展示

入り口のコレクションボックスにはさまざまな分野の資料が並ぶ

入り口のコレクションボックスにはさまざまな分野の資料が並ぶ

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 文京区本郷の東京大学総合研究博物館(文京区本郷7)で現在、新しい常設展「UMUTオープンラボ――太陽系から人類へ」(「知の回廊」より改称)が公開されている。

実際に稼働しているAMS(加速器質量分析装置)

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 同館の開館20周年を機に行われたリニューアルに伴い、刷新された常設展となる同展。「研究現場展示」を新しいコンセプトに、同館保有の400万点を超える学術標本コレクションが「どのようにして形成され、現場に立つ研究者が日々どのように接してきたのか」を展示する。

 米国の動物学者モースが発見した大森貝塚土器、ドイツの博物学者シーボルトの植物標本など、分野を横断した収蔵品が並ぶエントランスに設置された「コレクションボックス」のほか、展示は7つのエリアで構成する。

 同館の壁30メートルに渡って実際に使う標本も収蔵された標本庫型の展示「標本回廊」、「無限の遺体」と題した大型動物の剥製や骨の展示、西アジアやアンデスでの標本収集と活動の現場を紹介する「エクスペディション」など、テーマごとにさまざまな収蔵品を展示する。

 同展では「展示型収蔵」と呼ばれる新しい概念を発案しており、館内の収蔵室や研究室の一部をガラス張りにすることで、来館者が博物館活動のリアルな現場をのぞくことも可能。実際に研究者らがAMS(加速器質量分析装置)を使い、標本の年代測定作業をしているところも見学できる。

 担当の諏訪元教授は「この館の最大の魅力は、集まってくる学術標本を媒体とした知の体験の場としての機能。標本は普通、倉庫に保管してあるものだが、展示することで多くの人の好奇心を刺激できれば。特に若い世代の中から研究をしたくなる人が出てくればうれしい」と話す。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。観覧無料。土曜・日曜の14時~15時30分には、定期的に記念講演も開いている(参加無料)。9月3日まで。

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