石川県輪島市の輪島中学校2年生2人が8月12日、文京・関口の「我楽田工房」(文京区関口1)で職業体験学習を行った。招いたのは公益財団法人「日本サッカー協会」(後楽1)。
同協会が能登半島地震の復興支援事業「JFA×文京 Dream Project」として2024年から続ける「街と能登の応援フェス」の一環。輪島市では今も体験の難しい職種があり、多様な仕事に触れる機会をつくることを目的とする。3年計画の最終年となる今年は生徒89人が文京区を訪れ、東京商工会議所文京支部などの協力で区内25社・団体が受け入れた。
生徒の稲垣健吾さんと笹谷陸斗さんは前日の11日に上京し、東京ドームでプロ野球を観戦した。2人が同社を訪れたのは12日午前。職業体験学習の冒頭、我楽多工房を運営するボノの横山貴敏社長が、全国の地域と組んで企画をつくる会社の仕事を紹介した。
続いて2人は、同社のシェアキッチンでビーガンレストラン「PLANT KITCHEN TOKYO」を営む藤原美穂さんの指導で、翌日の営業に向けた仕込みに取り組んだ。タマネギとニンニクの皮をむき、洗ったジャガイモをアルミホイルで包んだほか、食器洗いや玄関の掃き掃除、トイレ掃除も体験した。藤原さんは「料理はフライパンを振るだけではない。この仕込みが大変」と話した。稲垣さんは「野菜だけを使うレストランを見たのは初めてだった」と振り返る。
午後は、都内の大学生2人が「輪島と文京区がつながるには」をテーマにワークショップを行った。模造紙に付箋を貼って意見を出し合い、輪島の祭りや学校行事に東京の中高生を呼ぶ案が並んだ。「いきなり企画に誘うのではなく、ゲームやスポーツで先に関係をつくることが必要」という結論でまとまった。笹谷さんは「ワークショップでの話の進め方や、意見の出し方が印象に残った」と話す。
ワークショップを進行したお茶の水女子大学4年の川崎ありささんは、2人がボードゲームを見つけて声を上げた場面が印象に残ったと言う。「一緒に何かをやる前に、目的を決めない交流の時間が必要なのかもしれない」とも。早稲田大学3年の加藤かれんさんは「ゲームは共通言語になるし、いろいろな地域の子どもがアクセスしやすい」と話す。
同協会経営企画部サステナビリティグループの福田哲郎さんは「多様な経験を通じて、子どもたちが将来の夢を見つけるきっかけにしてほしい」と期待を込める。