東洋学園大学(文京区本郷1)で7月24日、野村拓也准教授が指導する現代消費研究ゼミの学生8人が、研究の一環として校舎屋上にイチゴの苗を植えた。指導したのは、屋上でのイチゴ栽培に取り組む梅原義彦さん。
植えたのは、東京都農林総合研究センター(立川市)が都内の露地でも育てやすいよう改良し、2019年に品種登録した「東京おひさまベリー」。開発した当時には都内でイチゴを栽培する農家がほとんどいなくなっており、宝の持ち腐れになっていたという。この品種に着目した梅原さんは、都内での栽培を広げる「イチゴでハッピープロジェクト」を立ち上げ、保育園などに屋上イチゴ農園を設け、ヒートアイランド対策や食育につなげてきた。
連携は、梅原さんが同ゼミの新聞記事を読んで連絡したことから始まった。情報交換を重ねる中で、品種の普及、屋上菜園の充実、栽培ノウハウの蓄積という3点で双方にプラスになると判断し、挑戦を決めた。同ゼミは今年4月から、同じ屋上でワイン用ブドウの栽培にも取り組んでいる。
作業では、梅原さんが苗の根の状態を示しながら植え方のポイントを説明。学生たちはシャベルで土を掘り起こし、教わった手順に沿ってイチゴの苗を一株ずつ植えていった。同ゼミの土井翔太さんは「猛暑の中、雑草が生えた土をシャベルで整備していく作業が大変だった」と振り返り、「イチゴはハウスで高い所から垂れ下がるイメージだったので、地面から育てるのが意外だった」とも話した。
同ゼミの見目美乃里さんは「イチゴは思っていたより丈夫で、水もたくさんあげた方がよく育つことが意外だった」と話した。ブドウ栽培と比べても「東京おひさまベリーはそこまで繊細ではなく、育てやすいと感じた」と続けた。土井さんも「ブドウの葉は長く日に当たっても健康的だが、イチゴは葉が枯れやすく、毎日の水やりが欠かせないと感じた」と話す。
梅原さんは、土の入れ替えなどのメンテナンスを最小限に抑えながらイチゴを育てる循環型の栽培方法を研究している。野村拓也准教授は「過酷な東京の気候の中での栽培ノウハウを吸収し、東京でのブドウ栽培にも生かしたい」と話した。学生に対しては、育てる植物の種類が増える中で、都市の緑化やコミュニティーづくりというゴールに向けて一つ一つの活動がどうつながるかを考え、俯瞰(ふかん)しながら次の一手を自ら生み出す力を身につけてほしいという。
収穫は来年5月ごろを見込む。収穫したイチゴは、学内の学生・教職員や屋上菜園「nido」を支える地域住民と味わうほか、ジャムやスイーツへの加工、クラフトビールの副原料としての活用も検討する。