日本酒ダイニングバー「和酒処 純吟(わしゅどころ じゅんぎん)」(文京区西片2)が8月31日で10周年を迎えた。東京大学農学部の近くにあり、全国各地の銘酒と酒に合う旬の料理を提供している。
店内はカウンター5席とテーブル12席の計17席。料理は全て店主の小野塚知美さんが作る。小野塚さんは日本酒の利き酒師で、客の好みを聞きながら酒を選ぶ。月替わりの酒蔵特集は8月で100回目を迎え、「飛露喜」を取り上げた。少量ずつ飲み比べる「利き酒3種」も人気を集める。
昼は日替わりのランチも用意。小野塚さんは管理栄養士でもあり、栄養バランスを考えた献立が女性客に人気だという。管理栄養士の資格は以前から持っていたが、飲食店で働いた経験はなかった。10年前に会社員を辞め、夢に描いた自分の店を開いた。
物件は自宅のある文京区内に絞り、半年かけて50件程度を見て回った。農学部の正門前には江戸時代創業の酒販店「高崎屋」があり、魚や米など良質な食材を扱う個人商店も近くにそろう。小野塚さんは「治安が第一だった」と振り返り、この場所を選んで良かった」と話す。
旅先では近くの酒蔵を訪ね歩く。知り合った蔵元を店に招き、酒と料理を合わせる会も年3回ほど開く。ブログは開店3日前に書き始め、10年続けている。今はほぼ毎日更新し、日本酒の紹介や旅の記録が並ぶ。小野塚さんは「もはやライフワークになっている」と話す。
開店から1年ほどはスタッフを確保できず、家族や友人に協力してもらった。今は夜のスタッフが全員、東京大学の学生。同大ゴルフ部の学生は紹介が代々続き、4代目になった。店のことは、スタッフの案も聞きながら決めてきた。小野塚さんは「全部自分で、という感じではない。しっかり自分の考えを持っていて、とても助かる」と話す。
11年目は時間に余裕をつくり、「メニューとサービスをより充実させたい」と考える。小野塚さんは「お客さまにとって居心地の良い時間が過ごせる店であるよう、これからも心がけていきたい」と意気込む。
営業時間は、11時30分~14時、17時~22時(土曜は17時~23時のみ)。水曜・日曜・祝日定休。