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文京・千石で「一箱古本市」初開催へ 50店が出店、絵本作家による読み語りも

童心社前での販売の様子

童心社前での販売の様子

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 一箱古本市「千石ブックメルカード」が10月20日、コミュニティースペース「千石たまご荘」(文京区千石4)の軒下などで開催され、親子連れなど多くの人でにぎわった。

多くの子ども連れが参加した「童心社KAMISHIBAI HALL」の紙芝居

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 出店者の思いやこだわりが詰まった本を段ボール一箱分持ち寄って販売する同イベント。文京・千石地域での開催は今回が初めて。当日は、「千石たまご荘」、出版社の「童心社」(千石4)、コミュニティーカフェ「風のやすみば」(千石4)、「文京子育て不動産」(千石1)の4会場に約50店が並んだ。

 それぞれの会場ではワークショップなどが行われた。「童心社KAMISHIBAI HALL」では、絵本作家の石川えりこさんによる自作絵本の読み語り、絵本作家のさとうあやさんによる自作紙芝居上演があり、同社社長の田中正美さんが紙芝居上演に協力する一幕もあった。会場では真っ白い本に好きな絵を描いてオリジナルの絵本を作るワークショップ、プロライターによる聞き書きとプロカメラマンによる家族写真撮影で仕上げる「家族製本」なども行われた。「文京子育て不動産」では、科学教育出版社の「仮説社」が「煮干しの解剖教室」を行った。

 全会場を回ってスタンプを集めるとオリジナルエコバッグと交換できる企画もあり、実行委員の松本貴子さんによると、用意した30個のエコバッグは全てなくなったという。「SNSで『エコバッグ、もらえなくて残念、涙』とつぶやく人もいて、うれしい悲鳴」と松本さん。

 「千石たまご荘」を運営する倉持歩さんは、初の自著出版本を販売した。「マップ片手に千石でデートしている若いカップルや、全国の一箱古本市で出店しているという店主さん、普段より売れゆきが良かったと喜ぶ地元のケーキ屋さんなど、周囲の笑顔もたくさん見られた。いつもよりもっとこの街が好きになった」と倉持さん。

 「行きつけのコーヒーショップでチラシを見つけて応募した」という出店者の一人は「写真付きの店主マニュアルを見ながら、夫と2人でダンボールの『お店屋さん』を作って前夜に家で何度もお店屋さんとお客さんのまね事をしてリハーサルした」と話す。「この地域に引っ越して数年。このイベントをきっかけに地域の中に入れたようでうれしい」とほほ笑む。

 「ひと月前から天候ばかり気にしていた。何より晴れて良かった」と松本さん。「多くの参加があり、本を介した対話の場が多数生まれた。長年心の中で温めていたものが形になり、うれしい」と振り返る。「自身で企画をするということは、自由もいっぱいあるけど責任もある。イベント企画経験者からの『続けてこそ』というアドバイスも胸に染みた。マップを見ながら本屋さん巡りをしている参加者の笑顔を原動力に、今後も定期的に続けていければ」と意欲を見せる。

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